5月中旬から7月初旬頃まで、スーパーや八百屋さんの店先に出回る梅の実。日本には平安時代に中国から入って来て、鎌倉時代には梅干しが重宝されていたとも言われています。また、戦国時代の武将たちは、ご飯のお供としてではなく、薬として梅干しを珍重していたようです。
そんな歴史ある梅の実は、これからやってくる梅雨や、暑い夏を乗り切るためのパワーがいっぱい! 今年はぜひ、ご家庭で梅干し&梅酒を手作りしてみませんか?
梅は果物ですが、生で食べても酸っぱいだけで美味しくはありません。その上、未熟な生の梅には毒があるので、食べてはいけないとも言われています。しかし、昔の人はそんな梅の実でも、じっくりと熟成させたり蒸留酒や塩に漬けたりすることで、毒素を低下させて保存食にしてきたのです。中国では、なんと紀元前から酸味料として使われてきたそうで、塩とともに最古の調味料だといわれています。貴重な食料を得るために、昔の人は様々な工夫を凝らし、知恵を絞ってきたのですね。
梅の実には、疲労回復効果があるクエン酸やリンゴ酸などの有機酸がたっぷり。酸味が強いので食欲を増進させる効果も期待できますし、唾液がたくさん出て消化酵素の働きも活発になるとされています。じめじめした梅雨や暑い夏を元気に乗り切るのに、梅はうってつけというわけです。
さらに、ジャムや梅干し煮などで梅の実を加熱すると、梅の実に含まれている糖とクエン酸が結合して、ムメフラールという成分が作られます。この成分には血流を良くし、生活習慣病を予防する効果があることが分かっているそうですよ。
梅の実をきれいに水洗いしてしっかり拭き取り、竹串でヘタを取り除きます。熱湯か焼酎で消毒した容器に、梅→塩→梅の順で交互に入れていき、最後に塩でふたができるようにしましょう。その上に落としぶたと重石をのせ、梅酢が上がってくるのを数日待ちます。梅酢がかぶるくらいになったら、梅の実が沈みすぎないように重石を調節して、このまま梅雨明けまで保存してください。晴れの日に風通しのいい場所で4日ほど天日干しをして、梅干しの完成です。
コツその@ 黄色く完熟した実を選びましょう! 大きい梅ほど梅酢が上がりやすいそうです。
コツそのA 傷ものは使わない! カビの原因になるので、ジャムなど他の用途に回しましょう。
コツそのB 漬ける量は最低3kg! 少ないと均等に漬からないなど失敗しやすくなります。
コツそのC 減塩しすぎない! 基本の塩分量の20%前後を守れば、失敗はかなり防げます。
※塩分が気になる場合は、食べるときに塩抜きすれば安心です。
梅酒は基本的に青梅を使用するので、アク抜きが必要です。丁寧に洗った後、たっぷりの水に数時間さらしてください。その後は梅干し同様に水分を拭き取ってヘタを取り、消毒した容器に梅→氷砂糖→梅の順に入れていきます。35%以上の焼酎を静かに注いでふたをし、冷暗所に保存。氷砂糖が溶けるまで、糖分が均等になるように時々容器を揺すり、完全に溶けてから半年から1年くらいで飲み頃になります。
コツその@ 梅は1年くらいで取り出す! 入れたままにすると濁ったり、苦みが出たりすることも。
コツそのA 冷凍梅は解凍しない! ヘタを取って冷凍しておけば、いつでも梅酒が作れます。
コツそのB 氷砂糖の量はお好みで! 甘さ控えめで50%、甘めにするなら80%が目安です。
コツそのC 粉砂糖は避けるべし! 氷砂糖が「ゆっくり溶ける」ことが梅酒を美味しくします。
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