Dr.前田の「人生100年時代」を支える予防医療

第3回
病気になりにくいカラダ作りに欠かせない
『血液』と『酸素』の話。【後編】

テレビやパソコンに電源が必要なように、人間のカラダにも電気と同じようなエネルギー源が不可欠です。今回は人間のエネルギー源となるミトコンドリアについて、詳しく説明します。


体温とミトコンドリアの関係とは?

ミトコンドリアで作られるエネルギーで、私たちは体温を36〜37℃に維持することができています。体内が作るエネルギーの大半が、この体温を維持するのに優先的に使われています。それほど、体温が人間にとって重要なのでしょう。
最近、平熱が35度台の人が増えてきていますが、低体温がどれほど私たちのカラダにとって良くないことか、反対に36.5度〜37.0度の理想的な体温が、どれほど自分を健康にしてくれるかについて、健康になりたければ真剣に考えた方が良いでしょう。
ミトコンドリアは冷え性とも関係します。体温を維持するための、ミトコンドリアが作るエネルギーが不足すると、心臓や脳など重要な臓器の体温を維持するために、末梢の血管を収縮させ、冷えを感じるようになります。
つまり冷えや低体温の原因は、ミトコンドリア機能が大きく関係しています。冷えや低体温があるということは、ミトコンドリア機能が低下しているという兆候と考えて、改善策を考えることが未病治療のためには重要です。


ミトコンドリア機能が低下すると、低体温→免疫力の低下→病気になる。

ミトコンドリア機能が低下すると、活性酸素を分解する酵素ができなくなります。分解できない活性酸素は、炎症を起こして細胞をさびつかせ、遺伝子を傷つけ、老化を早めます。
そしてエネルギー不足により低体温になると、免疫力が低下し、代謝が落ち、タンパク質の合成もスムーズに進まないため、皮膚の弾力は低下し、筋肉や臓器の機能が落ち、老化を早めます。
そして、低体温によりミトコンドリア機能が低下し、ミトコンドリア機能の低下により低体温になるという、負のスパイラルに陥ってしまいます。その悪循環を放っておくと、老化や病気がどんどん進行していきます。
この低体温⇔ミトコンドリア機能低下の悪循環を断ち切る重要なポイントは、血流を良くすることと、酸素を十分に取り入れることです。
血流を改善し、しっかりとカラダへ酸素を巡らせるだけでも、様々な病気の治療や予防に貢献できる可能性があります。がんに関しては、ノーベル賞受賞者のオットー・ワールブルグ氏の研究が有名です。末梢血管での酸素不足が、ミトコンドリアの代謝異常を生じ、発がんに影響していることが明らかになっています。
(参考:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3941741/

低体温を改善して、ガンになりにくいカラダを手に入れよう。

体温が1度下がると、免疫力は30%低下するといわれています。免疫が下がると、がんや感染症になることは容易に想像できると思います。
日本では2人に1人ががんになり、3〜4人に1人ががんで亡くなっています。日本が、がん大国になってしまった原因として、低体温による免疫低下は大きな関連があるかもしれません。
健康な人でも、私たちのカラダの中では5,000個以上の新しいがん細胞ができています。と聞くと、不安に思ったり、驚いたりする人もいるかもしれませんが大丈夫です。がん細胞が生まれても、それが増えたり広がったりしないように、人間には免疫があります。
CTやMRIで発見できるがんは約1cmまで育ったがん組織ですが、1cmのがんは、細胞の数で言うと約10億個です。毎日新しく誕生する5,000個のがん細胞が、どんどん増えて暴走しないように、私たちのカラダの中の免疫が頑張ってくれています。
つまり免疫の働きによって、健康な人はがん細胞が生じても、がんという病気にはならずに済んでいます。
しかし低体温があると、免疫を低下させ、がん細胞が増えていく環境をつくってしまうことになります。がんの免疫は、T細胞やNK細胞、樹状細胞などいくつかの細胞がチームワークを成して機能していますが、低体温の状態では、そのチームワークが上手くいかず、がんを見つける能力や、がんを攻撃する能力が低下してしまい、がんの勢いを抑えることができなくなってしまいます。
がんになりにくいカラダ作りのためには、まずは低体温を改善することが大前提です。そのためには、何度も繰り返しになりますが、血流と酸素が大切です。

前田 裕輔 医師

コスモヘルス・グループ顧問医
医療法人「愛咲会」理事・医療統括責任者

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