Dr.栗原の血液サラサラ生活

Dr.栗原の血液サラサラ生活コラム 第28回
「糖質ちょいオフ」で正しい食事術

≪ご質問≫  
糖質を控えるダイエットにチャレンジしていますが、長続きしません。
すぐにリバウンドしてしまうのですが、やり方が悪いのでしょうか?(主婦 54歳)

糖質を抑えて血糖値を上げなければ、やせる!

近年、人気のダイエット法といえば「糖質オフダイエット」。「低炭水化物ダイエット」「ローカーボ(Low carb)ダイエット」などとも呼ばれ、ここ4〜5年、数多くのメディアに取り上げられてきたのでご存じの方も多いと思います。
糖質オフダイエットとは、三大栄養素である炭水化物、たんぱく質、脂質のうち、炭水化物に含まれる糖質の摂取を控えるものです。炭水化物は消化吸収されてエネルギーになる糖質と、消化吸収されない食物繊維に分けられます。私たちが食品から摂取している主な糖質は、米、パン、めんなどに含まれるでんぷん、果物に含まれる果糖、砂糖に含まれるショ糖などです。
三大栄養素のうち、食後の血糖値を上昇させるのは糖質だけです。血糖値が上昇すると、それを下げるホルモンであるインスリンが分泌されます。インスリンには余った糖を脂肪に変えて脂肪細胞に蓄える働きがあります。糖質の摂取を控えてインスリンの分泌を抑えるとやせるのです。

果物やジュースは糖質の吸収が早く、太りやすい。

これまで肥満の原因といえば、脂質やカロリーの取りすぎだと言われてきました。油抜きダイエットやカロリー制限ダイエットを試したことがある人も多いと思われます。しかし、この理論に基づくと、糖質さえ制限すれば、たんぱく質や脂質はいくらとっても太らないということになってしまいます。お腹いっぱい食べられて、難しいカロリー計算の必要がなく、お酒も糖質を含まない蒸留酒ならOK。しかも、減量効果が現れるのが早いというのだから、飛びついた人も多いことでしょう。
しかし、「思ったほどやせなかった」「やせたけれど長続きしなかった」という声が多いのも事実。糖質制限したのに思ったほどやせなかったという人に多いのが、「糖質を制限しているつもり」というパターン。また、最近、野菜不足を気にしてジュースを飲んでいる人が多いでのですが、市販の野菜ジュースの多くに果物が含まれており、この習慣が減量のじゃまをしている場合があります。
食品に含まれる糖質は、その結合数によって単糖類、少糖類、多糖類に分類されます。結合数が少ないものほど吸収が早いので、果物はとりすぎると太りやすくなる食品の代表といえます。特に咀嚼の必要のないジュース類は、吸収が早いので要注意です。


和菓子のほうが洋菓子より低脂肪だが、高糖質。

また、主食を減らした分を野菜で補おうと、サラダを積極的に食べる人を見かけますが、コンビニやスーパーでポテトサラダを選んでいませんか。いもはでんぷんを多く含みます。せっかく主食を抜いても、いもをたっぷり食べていては、糖質オフにはなりません。
このように、糖質オフには意外な落とし穴が多いのです。例えば、和菓子は洋菓子よりも低脂肪ですが、米粉や砂糖が多く使われているため、洋菓子よりも高糖質となります。また、ヘルシーなイメージの春雨は、イモや豆のデンプンから作られるため、うどんやそばよりも糖質含有量は多いのです。
私たちカロリーの知識はある程度あっても、糖質については意外に知りません。そのため、「糖質オフしているつもり」でも、実はできていないことが多のです。

リバウンドの原因は、糖質オフによるイライラ感。

一方、糖質はオフできていたけれど、挫折してしまったという人も少なくありません。主食を完全に抜いたところ、週に1〜2kgペースで体重は落ちましたが、約1カ月でギブアップしまった人がいます。最大の理由は、甘いものが食べたくて常にイライラするようになったことです。その他にも、ランチで食べられるものが少ない、食費がかかりすぎる、野菜料理をたくさん作るのが大変、便秘……などの複合的な理由で続けられなくなったのです。また、「こんなに肉をたくさん食べてもいいのだろうか」という不安があったことも事実です。
糖質オフはそもそも糖尿病の食事療法から始まり、ダイエット法として一般に広まったものです。糖尿病患者に対する糖質制限については医師の間でも賛否両論があり、長期的に続けたときの効果や安全性はまだよくわかっていません。糖尿病の人が医師の指導の下で糖質制限を行うのはいいでしょうが、ダイエット目的の人が自己流で極端な糖質制限を行うことはおすすめしません。なぜなら、急激な減量はリバウンドの元だからです。リバウンドというと「食べたい気持ちを抑えつけていた反動で、食欲が爆発すること」と思いがちですが、本当の意味は違います。


急激にやせると、筋肉が落ち、やせにくくなる。

急激に減量すると、脂肪だけでなく筋肉がやせてしまい基礎代謝がグッと落ちてしまいます。また、脳が命の危険を感じ、消費エネルギーを抑えて体重を維持しようとするため、やせにくく太りやすい体質になってしまうのです。減量とリバウンドを繰り返すことを“ウエイトサイクリング”といいますが、極端な糖質制限はこの状態を招きやすいので要注意です。また、糖質を極端に制限すると、本来肝臓に貯蔵されるべき中性脂肪が不足します。すると、身体は生きていくための手段として、体中から中性脂肪をかき集めきて肝臓に送り込み、蓄えようとします。極端な場合、低栄養性脂肪肝、いわゆるダイエット脂肪肝を引き起こすことがあります。
つまり、糖質はとりすぎもとらなさすぎもリスクがあるということです。1カ月に1kg以上体重が落ちるようなダイエットは、糖質を減らしすぎている可能性があります。リバウンドがなく、一生健康的に続けられるのは、糖質“ちょいオフ”ダイエットです。1月に500g、4か月に2kgがいいペースなのです。

栗原クリニック東京・日本橋

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