Dr.栗原の血液サラサラ生活

Dr.栗原の血液サラサラ生活コラム 第11回
網膜症や腎症、神経障害を引き起こす糖尿病。
正しく理解して、予防、治療につとめましょう。

≪ご質問≫  
境界型糖尿病と診断されました。それほど太っているわけでもないのに、腑に落ちません。
放置すると、重篤な症状を引き起こすと聞きます。糖尿病について教えてください。

糖尿病は、老若男女を問わず、増え続けています。

食欲の秋。今、世界中で糖尿病の増加が大問題になっています。現在の患者数は3億3000万人、20年後には5億人に達すると推定されているほどです。わが国でも増え続けており、予備軍も含めると成人のなんと5人に1人は糖尿病の疑いがあるのです。

実は、日本人は欧米人に比べると血糖を低下させるインスリンの分泌量が少なく、糖尿病を発症しやすい体質を持ちます。農耕民族である日本人は、米やイモを主食として豆類などの植物性蛋白質を食べていました。つまり、元来粗食に耐えられるように生活をしてきたため、インスリンの分泌量を節約できる体質であるわけです。

一方、欧米人は狩猟民族で肉食が中心であったために、インスリンの分泌量が多くなったと考えられます。実際、日本人は、欧米人の約40%しか分泌されません。ところが近年、食生活が欧米化したことで、インスリンの分泌が追いつかず、さらに運動不足が顕著化したことが糖尿病を急増させた原因とされます。


痛みも自覚症状も深刻ではない糖尿病。なぜ怖いのでしょうか?

糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンという血糖を低下させるホルモンが不足しり、働きが低下したりして、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が慢性的に高くなる病気です。糖尿病が怖いのは、だぶついたブドウ糖により血管が傷つき、動脈硬化(血管の老化)がどんどん進展してしまうからです。動脈硬化は血糖値が少し高めの状態でも進み、脳梗塞や心筋梗塞などの怖い病気を知らず知らずのうちに招いてしまいます。

また、糖尿病の三大合併症である網膜症、腎症、神経障害を同時進行的に引き起こしてしまいます。このように、常に血糖が高いと体型の太い、細いに関係なく血管をボロボロにしてしまうということに気がつかねければなりません。
また、最近、アルツハイマー型認知症や歯周病の原因にもなることが注目されています。

では、どんな症状がでるのでしょうか?

糖尿病は、発病から5〜6年経過しないと自覚症状が出現することがないため、放置したままの人が多いのが実情です。そこで初期のサインをいち早く察知することが大切です。どのようなものがあるのでしょうか。
まず、のどが渇いたり、尿の回数や量が増えたりします。糖尿病になりインスリンの働きが悪くなると、私たちの体は血液中に増えたブドウ糖を尿と一緒に排出しようとします。その結果、体内の水分が不足してのどが渇きやすくなるのです。糖尿病の名前の如く、どんどん尿にブドウ糖が出て行きますので、当然、食べても食べても体重が減少します。そこで、もっと食べても大丈夫と思い、過食傾向に。負のスパイラルに陥るのです。

どう治療、予防をしたらいいのでしょうか?

自分の状況を客観的に判断し、生活習慣を改善することでみるみる血糖値は下がることも事実です。糖尿病は、食べ過ぎや運動不足、喫煙といった悪い生活習慣が原因で起こる病気です。これらを改善しない限り血糖値のコントロールは思うようにいきません。

特に、食事療法と運動療法が治療の両輪です。食事療法のポイントは、如何に食後の血糖値を上げないかにかかります。従来、カロリー制限に主眼が置かれていましたが、血糖値を上げないようにするためには炭水化物を減らす、すなわち糖質を少しでいいので制限するほうが効果的であると思います。ご飯、麺類、パンなどの日本人好みの主食は、つい、多めに食べてしまいます。

また、果物は、ビタミンやミネラルが豊富ですが、吸収がすこぶるいいので血糖を上昇させてしまいます。油ものなどより、炭水化物、すなわち、果糖(果物)、蔗糖(砂糖)、デンプン(米、麺類、パンなど)の方が危ないとは意外ですね。とは言え、夕食の炭水化物を10%程、減らせば十分です。また、ゆっくり30回噛んで食べるのも血糖値を上げない秘訣。お酒は1合程度なら全く問題ありません。

運動療法として最低でも30分毎日歩くこと、これは当然のことです。実行し継続する少しの忍耐があれば、案外、簡単に糖尿病から脱出することができますよ。


次回は、10月下旬に更新する予定です。お楽しみに!

栗原クリニック東京・日本橋

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