Dr.栗原の血液サラサラ生活

Dr.栗原の血液サラサラ生活コラム 第3回
アルコールを飲まないのに肝臓がん?

≪ご質問≫  普段からお酒は控えるようにしています。お酒を控えていれば、肝臓病になることはないでしょうか?

脂肪肝からナッシュへの恐怖

今日は、怖い話をしてみましょう。最近、にわかに注目を浴びている肝臓病のことです。
C型慢性肝炎でもB型慢性肝炎でもありません。C型肝炎は画期的なインターフェロンが登場したことで解決のメドが立ってきました。B型肝炎にもまた、新しい抗ウイルス剤が登場しました。その肝臓病の正式名は「非アルコール性脂肪肝炎」といい、この英語名がnon-alcholic steatohepatitis。
ノン・アルコール、すなわちアルコールは飲まない人の、ステアートは肝臓に脂肪が沈着することです。ヘパタイテスは肝炎です。頭文字がN A S Hであることから、略して「ナッシュ」と呼んでいます。その名称通り、アルコールを飲まない人でも脂肪が蓄積することで肝臓の実質の炎症や壊死を伴い、肝硬変や肝臓ガンへも進展することもある怖い肝臓病です。

ナッシュは脂肪肝から

ナッシュは必ず脂肪肝から発症します。食生活の欧米化や生活様式の変化に伴い、脂肪肝が急増の一途を辿っており、なんと、日本人の4人に1人、すなわち3、000万人の人が脂肪肝なのです。
以前は、肝臓に中性脂肪が蓄積するだけの心配のない病気と考えられていました。
ところが、狭心症や心筋梗塞などの動脈硬化による疾患との合併率が高く、動脈硬化の危険因子であることが判明したのです。脂肪肝には代表的な生活習慣病という側面も持ち合わせているのです。
そして予期せぬナッシュの登場。すでに国内に300万人の患者さんがいると推定されています。
およそ脂肪肝の方の10人に一人が約10年かけてナッシュに進展することになります。

脂肪肝の原因とは

脂肪肝の原因として、肥満や糖尿病が挙げられます。自分が肥満かどうかはBMI(体重指数)から簡単に計算できます。体重kg÷身長m÷身長mが25以上から肥満とされる。
たとえば、170cmの人で75kgあったとします。75÷1.7÷1.7=26となります。
25以上ですから肥満の範疇に入ることになります。また、糖尿病も予備群を含めるとなんと1,620万人と推定されています。加齢とともに基礎代謝量(生命を維持するためのエネルギー量)は確実に低下するのに、若いころと同量の食事をしていることが多く、そこに慢性的な運動不足が加わってきます。もし、美味しい食事を楽しみたいのなら、運動をして筋肉量を増やすことです。
筋肉量と基礎代謝量は相関します。
つまり、筋肉量が増えることで基礎代謝量も増加します。太りづらい体になるのです。

さらに侮れないことに、果糖や蔗糖(砂糖)などの糖分の過剰摂取も脂肪肝を発生させてしいます。特に吸収がよい単糖類である果糖は肝臓で容易に中性脂肪に変化し、脂肪肝になりやすいことから果物の摂り過ぎには注意したいところです。また、日本人好みの白米や、パン、うどんなどもほどほどにしたいところです。

脂肪肝よりドロドロ!

脂肪肝の血液を血液流動性測定装置であるMC―FAN(エムシーファン)で観察すると「ドロドロ血液」の典型です。血流が悪いため、全身の細胞に酸素と栄養分が供給されなくなることから、疲れやすい、肩が凝る、頭がボーッとする、といった症状が出ることもあります。しかし、驚いたことにナッシュの患者さんはさらに流れが悪いのです。特に、白血球の活性化が起こり、白血球どうしがベタベタと付着してしまいます。この現象は活性酸素が影響したときに見られるものです。であれば、ナッシュの発生には活性酸素が影響するのでしょうか。答えはYES。ストレスや喫煙、紫外線などから発生する活性酸素の害を10年以上肝臓が受け続けると、ナッシュになってしまいます。脂肪肝の人が全員ナッシュに進展することはないのです。

脂肪肝にさえならなければナッシュとは無縁です。もし、油断していて脂肪肝と診断されたら生活習慣に問題点が隠されていると思ってください。直ちに見つけ出し、改善するよう肝に銘じておくべきです。意外なことに、アルコールを飲まない人のほうが脂肪肝になりやすいことも分かってきました。アルコールを飲むといっても、勿論、一日2合程度ですが。

ナッシュも長引く不況を象徴する病気といえます。すなわち、バブルの時代の暴飲暴食がたたり脂肪肝になり、その後の不況の時代に無意識ながら肝臓が活性酸素に犯されてしまったのです。
薬物療法は今のところはありません。脂肪肝を安易な疾患と認識していた時代はすでに終わった、というのが実感です。

栗原クリニック東京・日本橋

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