いきいき美健コラム

一井 葉子の「ホリスティックハッピーライフ」 第3回
You are what you eat!! 〜食の精製と現代型栄養失調〜(後編)

前回は、現代の食の問題点をお話ししました。今回は、ビタミン・ミネラルと言った微量栄養素や食物繊維を簡単にとるためにはどうすればいいのかを考えていきます。

まずは主食と調味料から変えてみる

食生活は薬ではなく、生活の一部です。薬なら一定期間服用すればいいが、食生活は長期戦とも言えます。ですから、その人その人にあったやり方で実践することが大切です。食生活には明確に優先順位があります。時間やお金など限られた条件の中で、まず、土台となるものに時間とお金をかけることが大切だと思います。
つまり、主食と調味料です。農家さんの愛情がたっぷりと伝わってくる、過度の肥料や除草剤などを使わない美味しいお米とじっくり作られた本物の調味料。
化学調味料ではなく、ちゃんとした材料を使って、真っ当に発酵させた調味料を使うと、本当に身体がこれを求めていたのだと感じ始めます。シンプルな素材・調理法でも、本物の調味料を使って味付けすれば心と体に沁み入る美味しさがあります。自家製のみそや醤油を作っていらっしゃる方などは、最高の贅沢品を召し上がっていらっしゃると思います。
安かろう悪かろうが当てはまるのが、調味料。お値段と原材料の表示で良いものは大概わかります。できるだけシンプルな原材料のものを選んでください。


「まず何からはじめればいい?何を食べたらいいの?」
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とにかく主食をかえる、これが一番に取り組むべきこと

そして、

  • 精製された米、パンよりも、玄米、分つき米、雑穀米、全粒粉のパンを選ぶ
  • パンよりもご飯を選ぶことで様々なリスクが回避される

上記の事柄を詳しく述べると下記のようになります。

  • 精製された食品の欠点は、微量栄養素が不足することです。丸ごと食べることでその食物のバランスがとれていて、私たちの体内でそのものの良さが出てくるのです。ですから、微量栄養素が欠けるならビタミン剤で補えばいいではないか、という考え方は適切ではありません。
    また、あるビタミンやミネラルをとりたいがために一つの食品ばかりを多食するのもおかしな話です。例えば、「ビタミンcが果物には豊富だから」とご飯を食べずに果物ばかり食べる若い女性、「肉はタンパク質が豊富だから」と毎日1kの肉を食べるビジネスマン・・・・こういう食べ方はやはり偏りが生じます。栄養素は食物の一部だということです。
  • パンにも色々な種類がありますが、日本でポピュラーなものは柔らかくてふわふわのもの、手でギュッとつぶすと小さな塊になってしまいます。空気が入って膨らんでいるだけで少量の小麦粉が使われているだけ、それでは、満腹感やカロリーが得られず、そのほかのものをたくさん食べて補う必要が出てきます。
    また、パンを焼くと水分が飛んでしまうため、表面がぱさぱさになり、食べにくいためバターやオイル、ジャムなどを必要以上に使う傾向がつよくなります。パン自体にも砂糖や脂がたっぷりと使われ、お菓子と変わらない状態のものも多く出回っています。
    常食は避け、主食とせず、せいぜい週に一度、休日の朝のお楽しみくらいにした方がいいでしょう。
    そして、食べるなら、欧米並みの小麦粉がしっかりと食べられるどっしりしたものがお薦めです。選ぶ目安としては
    ・ふすま、胚芽のついた(全粒粉)の小麦粉を使ったもの
    ・ポストハーベスト農薬(*注1)の心配の少ない国産小麦粉を使ったもの
    ・天然酵母、未精製の砂糖や塩を使ったもの
    ・食品添加物が入っていないもの

    こうしたパンを探すのは容易ではなく、それならば、安全性の高いお米を主食にする方がずっと手っ取り早いのではないでしょうか。

*注意1:
ポストハーベスト農薬(のうやく)は収穫後の農産物に使用する殺菌剤、防かび剤などのこと。ポストとは「後」、ハーベストは「収穫」を意味する。日本では収穫後の作物にポストハーベスト農薬を使用することは禁止されている。しかし、米国をはじめとする諸外国から輸入されている果物等は、収穫後に倉庫や輸送中にカビ等の繁殖を防止するために農薬が散布されることがある。

お米は太ると思っていませんか?

「ご飯を1日に一杯しか食べないのに太ってしまう」「野菜を多くして、ご飯は全く食べません」そんな声を良く聞きます。逆説的ですが、「ご飯を1日一杯しか食べないから太る」と言えます。
人間が生命を維持していくためには、必ず何かを食べてエネルギーを補給しなければならず、仮に1日じっと動かないでいても、大人なら1400キロカロリーのエネルギーが必要です。ご飯に換算すると、お茶碗に8杯くらいに相当します。
ご飯を1日に少ししか食べず、海草や野菜、動物性タンパク質しか食べないでいるとどうなるでしょう。
頭を使うと甘いものが食べたくなった経験は誰にでもあると思いますが、これは、脳を働かせるエネルギーは糖分だからです。でんぷん質が豊富な米はこの糖分を補給するのにはもってこいの食物です。その米を食べないでいると、身体が糖分を要求するので、甘い飲料水、菓子で補うということについ走ってしまいます。果物などに含まれる果糖や精製された砂糖がたっぷりと使われたお菓子は腹持ちが悪いので、満腹感を得られないため次々食べ物を口にすることになります。
また、精製された砂糖は吸収率が高いため、インスリンの分泌を急激に上昇させるため、低血糖症から糖尿病を引き起こす一因となります。
(砂糖の弊害については、次回のコラムで詳しくお話ししていきます。)

ご飯をあまり食べない、あるいは全く食べないダイエット
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これが食事制限のダイエットの成功しない理由

ご飯一杯175Kcal、パン6枚切り 1枚200Kcal。

どちらの方が満腹感があるでしょう?
このあたりも、パンではなくお米を主食にしてみましょうと言う所以です。

白米と玄米

では、完全に精米された白米より、出来るだけ玄米に近い分づき米の方がいいと考えられるのはどうしてでしょう。玄米は、

≪胚芽≫
たんぱく質、脂質、ビタミンA,B1、B2、B6、B12、E、ニコチン酸、パントテン酸、各種ミネラル類

≪澱粉質層の部分≫
脂質、たんぱく質、食物繊維

などが豊富に含まれます。精米されればこの胚芽とでんぷん質層の部分の微量栄養素と食物繊維などがなくなってしまい、糖質だけが多く残った状態になります。
前回申し上げた通り、微量栄養素や食物繊維が不足しがちな食生活を送る私たち現代人は、主食であるご飯を、精製度の低い米や、白米に雑穀をまぜたものに変えるだけで、これを補うことが可能です。
玄米は、食物繊維を多く含むので、

腸のぜん動運動を促し、便秘解消にも優れた効果を発揮
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体内にたまった不要物を一緒に取り除いてくれる

というメリットもあるので、免疫機能の70〜80%が集中すると言われる腸の環境を整え、風邪をひきにくくなる、肌がきれいになるなどのほか、大腸がん・肥満などの生活習慣病を予防することにもなります。

<白米と玄米の成分比較>

無機質(ミネラル) ビタミン
カルシウム リン ナトリウム カリウム A B1 B2 C
mg mg mg mg mg I.U mg mg mg
玄米 7 130 0.6 1 95 0 0.16 0.02 0
白米 3 34 0.1 1 29 0 0.02 0.01 0

(科学技術庁資源調査会編「五訂日本食品標準成分表」より算出転記)

精白して失われた栄養素を副食(おかず)で補うととてもたくさんの副食をバランスよくとらなくてはいけませんし、とても大変です。

例えば、一日にご飯を3杯、約400グラム食べるとすると・・・

白米と玄米で含まれる栄養素の中の、例えばビタミンB1を比較すると、玄米0.64r、白米0.12rとなります。この差を副食で補うとなると、

キャベツなら丸ごと一個生卵なら約10個

りんごなら11個

必要となってきます。
ビタミンB1だけでこれだけ必要、その他の栄養素を補おうとすると信じられないほどの食物を食べ、手間をかけなければなりません。
時間がなくて、外食や惣菜を食卓に登場させる機会の多い現代の食卓で、「白米を主食としながら、副食で栄養素を補う」のはとても大変なことです。
まず、ご飯を主食にし、出来るだけ精製度の低い米を常食すると、微量栄養素や食物繊維の不足だけでも補えることになるわけです。

また、玄米に含まれるフィチィン酸の働きには下記のような優れたところがあります。

  • 高い解毒排泄力
  • 活性酸素の育成を阻止する抗酸化作用
  • がん細胞の発生と増殖の抑制作用
  • 血中コレステロール値の低減
  • 結石のもとになる不要なカルシウムの除去作用

※フィチン酸がミネラル(鉄、カルシウム、マグネシウム、亜鉛など)と結合して体外に排出してしまうといわれていたのは古い学説と言われています。

玄米のメリット・デメリットをよく知って、生活の中に取り入れてみよう!

とはいえ、玄米は消化が悪いという欠点もあり、全ての方にとって完全食品であるかというとそうとも言えません。消化力の弱い幼児に玄米を食べさせ続け、腸の粘膜を余計に荒らしてしまい、アトピーを悪化させてしまった例などがそうです。
また、今は環境汚染、農薬化学肥料の問題などがあるので、慣行農法で作られたお米であれば玄米より精米されたものの方が身体にとって安全な場合もあります。
まとめると次のようになります。

  • 胃腸があまり丈夫でない人、消化能力が弱い老人や幼児がいる場合は、玄米ではなく、分つき米+雑穀の方が好ましい。
  • できれば米は自然栽培等、化学肥料や農薬、除草剤などを使っていないまたは使う量が少ないものを。主食が充実させる一点豪華主義

「ご飯は残しても副食は食べよう」「少しのご飯に、栄養豊かな副食を食べよう」といった常識をうみ、米離れを助長することになってしまった現代日本人。
かつて、宮沢賢治が雨ニモマケズの中で
『一日に玄米4合と味噌と少しの野菜を食べ、あらゆることを自分を感情に入れずに・・・・・』
と記しています。
少し前までの日本人は、ほとんどの人がこのような食生活を送っていました。
もちろんその時代には、今とは違った「量」の栄養失調があったのですが、「質」が不足する現代型栄養失調と、カロリーオーバーになりやすい欧米型の食事をへらす為にも、もう一度、お米を見直し、私たちの先祖が伝えてきた日本の食文化を見直す時が来ているのかもしれません。

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